少し古い絵本の紹介が続いたので、書棚を探すと、2011年に出版された絵本がありました。すっきりとした表紙はよく見ると銅色?金色?に光っています。真ん中に描かれた女性は頭に帽子らしきものをピンでさしていますが…。
次のページは見返しですが、左には何か手書き文字で書かれて、右のページにあるものは表紙の女性が頭に被ろうとしていたものと似ています。ポーランド人ならこの形を見ればピンとくるはず!日常的によくたべる、餃子のような、そうピエロギです。左側のページに書かれているのは、そのレシピ。
この絵本のテキストは、ポーランドに古くから伝わる歌に基づいていて、調べると、今でも子どもたちなどが幼稚園や学校で男女に分かれて歌う曲のようです。
しかし、この絵本の画家 カタジナ・ボグツカ(Katarzyna Bogucka)の手にかかると、アールデコ調で、ちょっと大人向けの洒落たお話のように見えます。
この歌は、「マリナよマリナ、ピエロギを私に作っておくれ!」という夫の歌うパートから始まります。しかし、それに対する妻マリナの答えは「小麦粉がないのよ(だから作れないわ)、私のいとしいマチエイ!」そこで、ピエロギの皮の材料の小麦粉を町にマチエイは買いにきます。帰ってきた夫はマリナに言います「マリナよマリナ、ピエロギを私に作っておくれ!」妻はこう答えます。「水がないのよ、私のいとしいマチエイ!」そこで、マチエイは井戸に水をくみにいきます。必死なマチエイに対して、マリナはどこ吹く風。
色使いも数色におさえられていて、レトロ調。はたして、マチエイは、マリナにピエロギをつくってもらえるのでしょうか?皆さんの想像におまかせします。
Maryna, gotuj pierogi!, Katarzyna Bogucka 作、tatarak 刊、2011年
Tradycyjna przyśpiewka ludowa – Maryna, gotuj pierogi! (tatarak.com)
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